いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
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違った日常
プロローグ

「うそ、だろ」

───異変に気付いたのはつい先刻だ。
何か夢の中にいるような不思議な感覚。しかし夢にしては説明できない程
リアルにも感じる。
黒井影人(くろいかげと 主人公)は動かしていた足を止め、やや強張りながら周囲を見渡すために首を動かす。
─そう俺は、親友のシンジとデパートの四階で待ち合わせをしていた。
目的は特別大した用事でもなく、新しいCDが入荷したとかで、自分が来るべき理由は何一つなかった。しかしシンジはいつものように

「どーせヒマだろ」

と一言だけ。いつもそうだ。
シンジの言葉を聞くと不思議と牽き付けられる。
今回もそうだった。
やや面倒臭いと感じつつ電車に乗ってこのアングロデパートにやってきた。
おかしなネーミングだ。センスを疑う。
もう何度も来てるのに、今日はやけに不気味に感じた。
それでも俺の足は止まらない。いつもだ、シンジに誘われると、いつも。
入り口をくぐり、俺は見ていたはずだった。その明らかに異常な光景を。
何故だろう?それを見ていながら何故俺は───。
そこで俺は思考を中断させた。いや、中断せざるを得なかった。
背後から、ずるっずるっと何かを引きずるような気味悪い音が耳に届き首を向ける。そしてそれを見た瞬間、弾かれるように反対方向に駆け出していった。

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