いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
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いじめられ続けて将来を悲観し、明日にも自殺しそうなあなたに。

 この世に生まれて、数年。
いじめられ続けて将来を悲観し、明日にも自殺しそうなあなたに。

 コドモの世界は大人の世界よりもずっと残酷で汚い世界です。小学校でいじめられ、中学生になったら、いじめられないかもしれないなんて、これっぽっちも思っていないあなたに言っておきますが、その考えは正しいです。中学生になっても、高校生になっても、いじめられます。時には大学生になってもいじめられることがあるでしょう。しかし、一生を通していじめられ続ける人というのは、いません。誰でも、どこかにいじめられない期間があるものなのです。そしてそれがどのくらい長く続くかはあなたの運とこの先の人生設計しだいです。

 運とは、あなたの周りにいる人たちや環境との相性がいいか悪いか、ということにかかわってきます。こればっかりはコドモである、あなたの力ではどうしようもできませんから、あきらめるか、素晴らしい環境と巡り合えるまで、変え続けるしか道はありません。間違っても、あなたにとって相性の悪い環境に馴染もうなんて思わないでください。あなたのその努力は空振りして悪い結果に終わるでしょう。そもそも、あなたがいじめられるのはあなたと相性の悪い環境にいることが一番の大きな理由です。あなたが目立つからでも、人と違うからでも、どこかが異常だからでもありません。あなたがあなたと相性の悪い環境にいるから、いじめられるのです。初めから悪い環境にいるのですから、これを良い環境に変えることはできません。いじめられない人というのは、この環境がその人と相性の良い環境であるからに過ぎないのです。いじめられない人が普通だからでも、特別だからでもありません。環境が変われば、いじめられない人はいじめられる人へと簡単に交代してしまいます。

 人生設計というのは、あなたが高校を卒業してからの具体的な道筋を考えることです。高校までは、あなたの運でランダムに相性の悪い環境と相性の良い環境が当たりますから、もしも、あなたと相性の悪い環境になってしまったら、無理に馴染もうなんて思わずに、ひたすら耐えるか、すぐに環境を変えるか、しましょう。ここでじっと耐えるか耐えないかで、この先の未来も大きく変わってきます。

 いじめられ続けていたあなたの人生が変わるときがくるのは、高校を卒業してからです。これはあなたも知らないことだと思いますが、大学生や専門学校生は大人ではありません。二十歳を過ぎたら成人したと言っていろんな権利を貰えますが、「大学生です」「専門学校生です」と言っているうちはまだコドモの世界にいるのです。大人の世界に入るためには、高校を卒業後、大学や専門学校に入学し卒業するか、最低でも専門学校を卒業する年の二十歳を超えていなければなりません。つまり、高校の次に学校に通う人は、どんな学校でもいいですから、その学校を卒業すれば大人の世界に入る資格を得ることができます。学校に通わず働かない人は、大学を卒業する年と同じくらいの二十二歳を超えると大人の世界に入れます。学校に通わず働く人は、専門学校を卒業する人と同じくらいの年の二十歳になると、自分がコドモの世界から抜け出ていることに気が付くでしょう。

 高校を卒業した後というのは、比較的、あなたに選択の自由が与えられる世界です。大学であれば、あなたが嫌だと思う授業は行かなくてもいいし、好きな時間に好きな授業をとることができます。学校を休んでも誰かがうるさく言うことはありません。仕事をするのなら、つらいこともあるかもしれませんが、好きな物を自由に買えるお金をたくさん貰うことができます。あなたがこの仕事は嫌だと思えば、さっさと止めて、簡単に別の仕事をすることもできます。学校にも行かず、働かない道を選んだあなたは、誰よりも自由な時間を手にすることができます。何をするのか、何をしないのかをようやく自分だけで決めることができます。つまり、あなたは高校を卒業した後、自分と相性の良い環境を求め、自由に変えていくことができるようになるのです。

 ここまでくれば、いじめで自殺をしようなんて考えはぺらぺらに薄くなります。どうして、死にたいと思うまで悩んでいたのかと不思議に思うようになります。

 けれど、いじめられている今のあなたは、まだコドモの世界にいます。これを読んでいるということは明日、死んでしまおうかと考えているくらい、辛くて、悲しくて、終わりのない長いトンネルの中にいるのでしょう。あなたが生きている限り、この暗くて寂しいトンネルが、ずっと、ずっと、この先も続いていくのだと思っているのでしょう。大人になっても、いじめられ続けるのなら、今までの苦しみの分だけを背負って逝こうと思っているのではありませんか。

 しかし、はっきりとあなたの間違いを指摘します。あなたがいる暗くて寂しいトンネルは、この先、必ず出口が見えます。何故なら、そのトンネルはコドモの世界にしかないトンネルなのです。コドモの世界を出るとき、そのトンネルの出口が現れ、今度は大人の世界のトンネルへと続く入口が見えます。大人の世界とコドモの世界は白と黒の色ほどに違いますが、いじめがないわけではありません。しかし、あなたの自由な選択で、あなたがいじめられる未来を回避することができるようになるのです。そして、そこからがあなたの生まれてきた意味を知る、本当の人生が始まります。

 コドモの世界には二つのトンネルしかありません。いじめられるトンネルといじめられないトンネルです。この二つのトンネルは、時々、交わることがありますが、たいてい一度入ったトンネルはそのトンネルを出るまで、歩き続けることになります。暗くて寂しいトンネルを歩くことになってしまったあなたの悲しみや苦しみは、そのトンネルに入ったことのある人にしか分からないものです。

 そのことを、今はあなたが悲しめるだけ悲しんで下さい。この悲しみはあなたの不甲斐なさをなじる悲しみではありません。あなたと相性の良い環境に出会えなかったことへの悲しみです。運が悪かったのだと神様をうらむのはかまいませんが、自分をバカだからとか、皆と違うからとか、親が普通に産んでくれなかったからなどと思わないことです。そんな暇があるのなら、あなたをいじめている相手が相性の悪い環境にいて、いじめられる妄想をしていたほうがよっぽど健康的です。

 コドモの世界には必ず終わりがやってきます。そして、次にあなたが入ることになる大人の世界は、あなたがこれまで考えもしなかったような幸せがそこら中にたくさん転がっています。大人の世界は、それこそ、コドモの世界にいたときに考えていたような、とてつもない長さの世界です。けれど、あなたが、今、感じている悲しみや苦しみが、同じように続くことは決してありません。大人の世界では、コドモの世界のように今日と同じ日を繰り返すことがないからです。

 大人の世界のトンネルには、コドモの世界のトンネルにあった出口がありません。そのかわり、大人の世界にある、たくさんのトンネルとつながっています。いつでも、自由に、自分のしたくないことをしなくていいようにできます。そして、大人の世界は、あなたの手に届くところに、いつも、誰かが落としたような幸せがあるようなところなのです。

 あなたは今、コドモの世界にいます。けれど、大人の世界がどんなものか、これを読んでもう分かったはずです。暗くて寂しいトンネルの出口は少しずつあなたに近づいています。先に進むか、それともここでやめてしまうか、それがコドモの世界にいるあなたに与えられた唯一の自由です。しかし、もう一度、言います。トンネルの出口はこの先、必ず現れます。そして、トンネルを抜けた先にある大人の世界は、おそろしく自由で、あなたが今はできないことも、したいと思えば何だってできる世界なのです。

16/01/07 16:17更新 / みちる

■作者メッセージ
いじめられている全ての人に届けるための文章ではありません。私がコドモの世界にいた頃の境遇にいるあなたへ届けるための文章です。

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