いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
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奏ーかなでー
一つのメロディーが俺の耳にいつもと同じ時間放課後の4:30に吸い込まれて行く。
その【奏】は彼女をそのまま表しているようだった。

ーー

「おはよう桜木」
「おはようございます。美波君」

この会話はきっと俺が彼女が1日で最初に会話した相手が俺なら良いと言う一種の独占欲だろうか。彼女はあまり感情を表情に出さない、

でもそんな彼女が気になって仕方なくてこんな他愛も無い会話でも俺の心臓は早く脈打っていた。

ーー
「美波!早くしろよ 先輩待ってるぞ」
「おう、先生に頼まれた用事が済んだらすぐ行くから先に行っててくれ麻琴」

そろそろ嘘のレパートリーも減ってきた。吹奏楽部でない彼女が部活を抜け出しこの時間にピアノを引いていることを知ったのは半年前の事だった、優しく暖かい彼女の全てを表すような奏が俺の耳に吸い込まれてきた。
高校1年の秋サッカー部の俺は部室の掃除を済ませて4:20分頃の事だ、彼女が左右に首を振ってから音楽室に入っていく所を見た時は今でも鮮明に覚えている。
彼女が深く深呼吸をしてから目を閉じてメロディーを奏でる。これが俺と桜木の出逢い、俺と桜木の【奏】との出逢いだった。


ーー

「お腹痛いから保健室寄ってから部活行くから先に行っててくれ」

また嘘を付いた。さすがに毎日嘘を付くのも心が痛むもので最近では週に1回、放課後の4:30に音楽室の前の廊下で窓の外を眺めるようにして、なるべく察しられないように外を見ている演技をする。きっと彼女は気付いてなどいないのだろう、俺は可能ならば彼女を見て彼女の【奏】を聴きたい、ずっとそう思ってた。いや ずっとそう想ってる。

「そろそろ部活に行くんで失礼します」

保険医にそう告げると俺はすぐに音楽室の前の廊下へ行った。
あと30秒、20秒、10秒と数えるたびに心臓の動きが速くなっているのは自分でも感じた。
4:30になった。だが【奏】が聞こえて来ない。


なぜだろうか…………。この込み上げてくる気持ちは一体なんなんだろう。彼女の【奏】が聴こえない。

ーー

「今日は体調が悪いのでもう帰ります」

そう告げると俺は帰り道へと足を向けた。帰路に向いた俺の瞳に写し出されたのは栗色の髪の彼女の後ろ姿と、







同じクラスの浅井の後ろ姿だった。







麻琴とは中学校からの知り合いで、明るい性格で女子からの人気も高かった。身長も高くて運動神経も抜群で頭も良くてとびきりカッコ良かった。

俺は桜木の【奏】の事を忘れ麻琴で頭が一杯になった。



この時に俺は初めて気付いた。






ーー俺は彼女に恋をしていたと
奏、それはとても切なくて 悲しい香りのする ものなのだろう。恋をするときっと 淡い香りがしているだろう、あの頃の俺が感じていたように………。


俺は一人夕日の沈みかけた薄暗い帰路へ一歩踏み出した。自分でも驚く程の涙と共に
14/06/22 01:04更新 / D子

■作者メッセージ
恋愛なんて脳内だけなんで、私の勝手な妄想に付き合って頂きどうもです...(((;´ω`)ススス まだまだ初心者なんでコメント頂けたら嬉しいですヽ(^ω^)ノ アドバイス面では豆腐メンタルなんでお手柔らかに( ノ゚Д゚)ノ

人物紹介

俺→主人公[美波 颯太-みなみ そうた]♂
彼女→桜木 綾(さくらぎ あや)♀
友達→浅井 麻琴(あさい まこと)♂

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