いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
読切小説
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突然に生きてる意味は蒸発するけど
心の中を虚無の風が吹き荒れる。

この世にとどまる価値なんか、ない。

長い長い退屈な時間が、私をむしばむ。一体なんで生まれてきた?




死ぬのは簡単。

ただ、ふんぎりがつかない。

あまりに長い間、虚無の風にさらされて

生きるって、こんなものとあきらめてきた。




死ぬのは面倒。

つまんない映画館から席を立つ気力もないの。

いつかこのつまんない映画は終わる。

そのときまで、生きるの。




津波に流された家は、壁がなく

中身が人の目にさらされていた。

死体なるって、そんなこと。

樹海で人知れず、きれいに白骨化した遺体になっても

哀れな銀歯はそのまま。

苦しみごと、微生物に食べられてしまっても

骨がのこるように

頭蓋骨にくるまれた脳が腐敗して

地面にとけてしまっても

魂は存在し続け、永遠の輪廻を繰り返す。



どうか神様。

私の魂ごと食べてくれる微生物に会わせて。





このわけのわからない苦しみは、魂にほどこされた焼き印。

死んでも逃げられない。

そんな気がする。

死んで終わる苦しみなら、とっくの昔にそうしてる。

面倒は一回ではすまない。

永遠に続く。そういう性質《たち》のもの。




血肉を分けた息子や娘。

そんな者がいる不思議。

絶望と虚無でできた私の胎内から滑り降りて来た者たち。

どうして、母体として私を選んだ?

一体、どうしてこの世に生まれて来る?

目の前にいるはずなのに

ぶ厚いガラスの向こう側に、おまえたちはいて

さわってもさわっても

遠い。




樹海に行くって、あんたは言うけど、それで何を証明したいんだか、私にはさっぱりわからないよ。

あんたは私の友達。

樹海に行きたいっていうなら、駅を調べてあげる。

そこからどうやってたどり着くのかも、調べてあげる。

ただ、私も連れてって。

あんたが、死ぬのを見届けて

誰にも発見されないように死体を隠してあげるから。




でも、できたら

そんな面倒は後回しにして、もうしばらく

つまんない映画を一緒に見てくれない?

苦しみで、ヒリヒリするのに、あとどんだけ耐えれるか

我慢大会しようよ。
16/04/06 11:54更新 / やや

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