いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
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植物と人と
僕らが世界を救うんだ。そんな声とともに 道端で夢から覚めた、頭が痛い。
何の因果か僕らは一見普通の姿をした生き物に追いかけられていた
僕らは何故かゾンビの寄り付かないある小さな丘に居た。
僕と浅黒い肌の少年とデブと小さな少年と金髪の女の子

木が風で大きく揺れていて上を見上げると入道雲が早く流れていた

デブの男の子は言った「この謎を解かなければ世界は止まったままだ」
そう予言の書に書いてあるのだ。
「もう時間が無い」僕たちは急いでいた。僕たちが出来る事とは何だ?
「目の前の苦難と戦う事だけだ」あさぐろい肌の少年はそう言った。

どれくらい時間がたっただろう、ほんの数時間でも僕らには10年以上の歳月に感じられた

「ほら、もう時間が無い、新しい地形は見つかったか?」デブが騒いでいる
僕はつぶやく「新しい地形を探す、という事自体に、大きな意味が感じられない、気がする」
「じゃあ、どうすればいいんだよ?」デブがイラついたように言った
僕はとぎれとぎれに言った・・・「ある地形を探すことに意味を求めるのではなく、その地形その物の、意味を
考えるべきではないだろうか?なぜゾンビが寄り付かない場所が有るのか?」
「高さじゃないの?」「いや、全体的に高い位置にあるが、そうでは無い場所もあった」
ある地形に共通するものは何だろう?
木が風で大きく揺れている。
・・・・・・そうか分かった!ある植物が生えているんだよ
この植物が生えているところにだけ
敵は寄り付かないのだ。小さな女の子が持つ植物の図鑑をめくるとそれはカレハノハクチュウムという名前だった。
「でもそれが何だっていうんだ?」「敵はオートマチックに動いている。
人の姿をしたものを攻撃する様にプログラミングされているのだ。
そして一定の植物には近づかないようにしている
何故か?親玉を攻撃しないためではないだろうか。」
あさ黒が言った「しかしなんでわざわざ、そこらじゅうに木がはえているんだ?」
「無意識になされているからだ、無意識は意識的な意志と違い特定の場所だけでなく
広がっていってしまう物だからだ、敵の親玉は無機質に創造をしている、でなければ僕らはもうすでに見つけられているはずなのだ。
あれだけ追い回されているのだから」
「なーるほど」あさ黒がきゃんきゃん言っている。
「だから、敵の本拠地はきっと・・・」

双眼鏡をのぞく、とおくにこの植物とおなじものが生い茂っている屋敷が有った。
あそこに行けばいい、どうやって敵をすり抜けて行けばいいのだろうか
簡単な事だ、この植物をもって歩いていけばいい。案の定ゾンビはよりついては来なかった

一般家庭よりも少し大きいくらいの屋敷だった。
屋敷内は静まり返っていた、木製の階段をのぼるとぎしぎしと音を立てた。
二階の廊下は長く一室からひかりが漏れていた。ドアを開くと
カプセルの中に人の形に刈り込まれたような半分枯れかけた植物が浮いていた
或は、本物の人、にもみえた。「おまえがこの世界を形作っていたのか」
そして、僕らはその木の入ったカプセルを大きな石を投げつけて壊した。
ぶつんと音を立てて世界は闇に包まれた。

・・・

僕らは、がやがやと騒がしい教室の机の上で、顔をあげると
お互いに顔を合わせて、互いにニッコリと微笑み合った。

おわり
15/01/29 23:49更新 / もじ

■作者メッセージ
特になし。

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