いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
読切小説
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弱肉強食が潰れた音がした
と畜場にトラックで運ばれて、あと数十分程で殺される牛は思った。
「何故、人に食べられる為に生まれなければいけなかったのだろうか?」
同じくと畜場にトラックで運ばれてきた鶏は思った。
「何故、今まで人間に卵を産まされてきて人間に貢献してきたのにちょっと卵を産む速度が落ちたからと言って、食肉にされなければいけないのだろうか?」
飼い主に見捨てられて、保健所で、殺処分を待つしかない犬は思った。
「何故、こんな所で殺されなければならないのか?」


その時、彼らの前に神様が現れた。
「私は全ての動物が、幸せに暮らせる星にしたかった。しかし、今のこの世界は人間が占拠している。他の動物のことなど考えずにだ。だから、私は人間界で語り継がれる『ノアと箱舟』の時と同様に人間達に裁きを与える。私はお前達の知能と身体能力を人間以上にしようと思う。お前たちは人間などに束縛されず、もっと自由に生きるべきなのだ。」
この瞬間、人間が牛や鶏を食べると言う、今までの常識とも言える弱肉強食の関係は成り立たなくなった。
この瞬間、人間に勝手な理由で飼われ、嫌でも人間に支配されるしか無かったペットと言うものの概念が無くなった。
こうして、今まで人間に利用されていた動物達が反乱を起こした。
多くの人間が牛や鶏の餌食となった。今までの弱肉強食の関係が裏返ったのだ。しかし、牛や鶏は動物を乱獲した人間とは違い人間を必要以上に狩ることはなかった。牛や鶏は頭が良かったので、人間を生殖行動ができる程度に生き残らせておけば、餌に困ることがないという事を知っていたからだ。
犬は、人間をペットにした。人間も抵抗をしたが、抵抗した者は頭蓋骨を噛み砕かれて、犬の餌になった。
今までは2本足で人間が歩き、リードをつけられた犬が四本足で歩くのが普通だったが、今では2本足で歩く犬にリードをつけられた人間が4本足で歩くのが普通になっている。
人類の文明は完全に崩壊した。
そして、動物達による新たな文明が始まろうとしている。
僕は、この動物たちの新たな文明を見守っていこうと思う。。
16/02/07 10:48更新 / 浦上〜杞憂〜

■作者メッセージ
平成26年度(2014年4月〜2015年3月)、32,702匹の成猫と、47,043匹 の子猫が殺処分された。(http://www.konekono-heya.com/aibyouka/syobun.html より引用)
保健所に連れてこられる動物たちは「大きくなって可愛くなくなったから。」「子猫がたくさん生まれて飼いきれない。」などの人間の身勝手な理由で連れてこられる。
保健所に連れてこられた動物は一部を除いて大半は値段にして1匹辺り100円前後(殺処分にかかるお金は自治体によって異なる。)で殺処分される。
殺処分される動物は一体何のために産まれるのだろうか?

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