いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
読切小説
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19970217
佐藤さんというひとが言っていた事で妙に覚えていることが有る。
「あの子供のころ見たミッ○ーマウスのようなシミのあるアパートで階段をガンガン
踏み鳴らすとおじさんが出て追いかけてくるよ」
なんのことやら、と思っていたが・・・。

*

僕はアパートの3階の階段に立っていた 今よりも ずっと小さい頃遊んでいた場所だった 
有る一点を見る上から2段目のここだ 見覚えのある階段のシミだった
それはまるで何かのキャラクターの様だった 意外と雨にさらされても
残るものだなと思った。 怖いもの見たさか?ミッ○ーマウスだ!ミッ○ーマウスだ!
と、叫んでいる自分に気づく そして がんんがんと足を踏み鳴らす
ぼくはどうかしてしまったのか? 日はまだくれてはいないが途方に暮れていた。

後ろを振り向くと 視線を横切った坂道で石垣高い位置に家が立ち並んでいるのが見える
同級生の家はあそこだったらしい 佐藤という表札が有った

ぼくぅどうしたの?と、おじさんがこちらを見下ろしている
ひゃっひゃーぶっひひー、っと唇を鳴らしていきなり手を伸ばして転げ落ちて
追いかけてきた 僕は猛ダッシュで 近くのスーパーに逃げた
町の人たちは薄情もので誰も僕に見向きもしない
まだすぐ50メートルぐらい後でおいかけてきている
自動ドアが開くのがまどろっこしかった

ゼエゼエ言いながら二階に上がった。本屋さんに佐藤さんと言うあの女の子がいた
あれーひさしぶり、といった、おもむろに耳に顔を寄せて
おじさんに見えるものは本当は人間に化けた影なんだ、と言った
僕はあれが来ていないか後ろを見た、ふと向き直ると佐藤さんの姿はもういなかった
店内はがやがやとしていたがどこかに消えてしまった

佐藤さんが持っていた本が棚に無造作に置いてある。ミッ○ーマウスの本だった
おや?と思った、僕の思い出のシミの跡とイメージが一致していた
僕がさっき見たシミの跡とは向きが逆なのに?

ふと気になることが有って僕は別のさっきの場所に似たアパートに行った
みるとあの懐かしいミッ○ーマウスのシミが有る 僕が遊んでいたのはこの別のアパートだったのだった
たしかにさっきのアパートのシミは向きが逆だった、記憶はあいまいだと思った、と
下からがんがんと上ってくる足音がする、すると上の階からおじさんがぎぃ、とドアを開けてこちらを見ている
そしていきなりごめんね、ごめんね、と泣きだした、僕は何で泣いているのかよく分からなかった
泣きたいのはこちらの方だった。後ろからおじさんが追いかけてきていた、下のおじさんはふっひーんと変に叫んだ。
目の向きが左右で上下反対だった
上のおじさんはしたのおじさんに飛びつき下のおじさんと分裂中のミミズみたいに一つになって暴れた
どす黒い血がびっちゃびっちゃに、飛び散っていた

次の日中学で別の友達に聞いた話だ、ミッ○ーマウスの様なシミのあるアパートのあの人は昔
音がうるさくて人を殺してしまった事が有るらしい 君が最初に訪れた場所は空家だった
そこには人は住んではいない 彼はたぶん もう一人の心を隠したあのおじさんなんだろう
生霊。なるほど、僕は学校の帰り道で思った。
・・・でも変だなあのおじさんとあのおじさんの顔は全く違う顔だったけど?

おわり
15/03/18 01:32更新 / もじ

■作者メッセージ
幽霊ものです、たぶん

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