いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
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好きな人ができた話
この春好きな人ができた。
隣の席の安田くんだ。友達は皆『少女漫画みたい』って笑うけど、私は本気で好き。
安田くんはめんどくさがりで、授業中はいつも寝てる。提出物は出さないし、いつも職員室に呼ばれてばかり。
でも友達が多くて話は面白いし、一緒にいると楽しい。

……私どうして安田くんのこと好きになったんだっけ。
思い出せない、それくらい前から安田くんが好き。

安田くんは私の事を「あさこ」って呼ぶ。
本当は「麻子」ってかいて「まこ」って読むけど、安田くんは入学式早々隣の席の私を「あさこ」って呼んだ。
それからずっと「あさこ」。本名じゃないけど、なんだかちょっと親密的で嬉しい。

ある日安田くんが教科書を忘れたらしくて自分の席を私の席にドッキングしてきた事があった。何故かその日安田くんは目が冴えていて、私は終始ドキドキしっぱなしだった。
「……あさこ、教科書見せて」
「う、うん」
安田くんが教科書を見ようと体を寄せてくる。
汗と香水の匂いがした。

「………あさこ」
花壇に水をやっていたら急に声をかけられ心臓が飛び出そうになった。
「なっ、何!?///」
「あさこって花壇に水あげる係なの?」
「うん、美化委員だから…安田くんは風紀委員だよね?」
「あー、まあほとんどやってないけどね…そうだあさこ、」
「?」
「俺のことは『アキラ』でいいよ」
安田くんが前髪をかきあげる。逆光で眩しい。
「………あ、アキラくん」
「だからアキラでいいって、次くん付けたらメロンパンなー」
そう言ってアキラは校舎の方へと歩いていってしまった。
陽だまりの中じょうろを持って立ちすくむ。

「………アキラ」

世界がキラキラして見えた。

修学旅行はアキラと同じ班だった。
友達は色々気を利かしてくれたけど、正直私はアキラと同じ班になれただけで幸せだった。
「あさこ見て、鹿!」
子供みたいに目をキラキラさせるアキラはとても愛おしくて、このまま時が止まればいいのに、と思った。

「麻子、あんたもう告っちゃいなさいよー」
「えっ…あ、アリサちゃん…どうしたの?」
「あんたねー、このまま卒業するまで片思い続けるつもりー?そんなのね、問屋が卸してもあたしが卸さないってやつなのよ!」
「で、でも…」

大論争の末、私はアキラに告白することになった。
だけど私はそんな勇気ないし、第一OKを貰えるかなんて分からない。
とりあえずよろよろと裏庭へ向かうと、私は衝撃的なものを見てしまった。

アキラが女の子に告白されていたのだ。

………………私はその場に立ちすくんでしまった。




それからというもの、私はすっかり勇気を無くしてしまい、アキラに告白しようとかそうゆうことは考えなくなった。アリサちゃんには「まだ告白してないんだから分からないでしょ」って言われたけど、勇気が出ないのは仕方が無いと思う。
3年になって私は大学受験で忙しくなり、アキラともあまり関わらなくなっていった。

卒業式の日。
ああもうこの日が来てしまったと思った。
ひとりぼっちの教室で物思いにふける。皆と友達になれてよかったとか、体育の先生が怖かったとか、食堂のカツカレーが美味しかったとか、

アキラが大好きだったとか。

「………あさこ?」
「……え?」
気が付いたら目の前にアキラが立っていた。
手に卒業証書を握りしめて、私の前に立っていた。
「懐かしいよな、色々…」
「うん、そうだね」
「あさこいつも花壇に水あげてたよね」
「ふふ、よく覚えてるね…」


「…『まこ』、あのさ」
「!!……うん」

「俺、まこのこと好きだよ。」





その時のことはもうあんまり覚えてない。
ただ私はアキラに抱きついて、アキラは私を抱きしめた、それだけ。















「もしもしアリサちゃん?………うん、うん。

来月にするつもり……あはは、そんなことないよ、ん?…何?」





『麻子、結婚おめでとう』










14/07/31 16:03更新 / 紅葉

■作者メッセージ
疲れました。
今日もガリガリ君片手に課題に勤しんでいます。
毎日暑いです、感想頂けたら幸いです。

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