いっしょに生きよう - 死にたいあなたへ
嘆き川柳 お絵かき掲示板
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電車
私は今、電車に乗っている。なぜかというと少し遠くに住んでいる高校の友達に会いに行くためだ。今日は土曜日なのに、電車は席に座れないほど混んでいたが私は席に座れたから運がいい。
電車が「市橋駅」に止まったようだ。私が降車する駅は終点の「加東駅」だからあと12個駅を通過することになる。
ドアが閉まって電車が動き始めた。
ふと、スマホから目を離して正面を見たらヨボヨボのおじいさんが立っていた。おじいさんは、杖を頼りになんとか立っている様子で、電車の揺れで今にも転倒しそうだ。
私は迷った。こうゆうときは席を譲ったほうがいいのだろうか。だけど、知らない人に話しかけるのってなんだか怖い。私はかなり迷い、決心ができたのは「市橋駅」の隣の駅についてからだった。
私はおじいさんに席を譲る決心をした。
私はおじいさんの肩をたたいて「どうぞ、座ってください」と言った。
おじいさんは無表情で私が譲った席に座った。なんだか、このおじいさんは感じが悪い。席を譲ったんだからお礼ぐらい言えないのだろうか?それどころかおじいさんは席についた途端私にいろいろ文句を言い出した。
「娘さん、わしを年寄りだと思ってんだろ?わしを年寄り扱いするな!ワシは72歳だが、そこらへんの72歳と一緒にしないでくれよ?」
私は、どう返事をしていいかわからないから、スマホを触って聞こえないふりをした。て、言うか年寄り扱いされたくないんなら席譲られた時に断ればいいのに。。こなおじいさん、席譲られてお礼も言わずにずかずかと席に座ってその上、文句まで言ってくるんだから図々しい。
おじいさんは、私が黙っているのをいいことに電車の席のことと全く関連のないことにまで文句をつけてきた。
「だいたい、その格好は何じゃ?そんな短いスカートを履いて。そんなの『パンツ見てください』って言ってるようなもんじゃわ。それにその手に握っているスマホは本当に何なんじゃ。わしの時代は若者がいっぱいおしゃべりをして、うるさいくらいだったのに、今の若者ときたら携帯を黙々といじっているばかりじゃ。これだから日本がダメになるんじゃ。まったく、最近の若者は!」
本当にこのおじいさん鬱陶しい。こんなことになるのなら席を譲るんじゃなかった。私は決めた。これからはどんなにヨボヨボのおじいさんやおばあさんが電車やバスに乗っていても席は絶対に譲らない。
15/05/08 22:00更新 / 亜樽

■作者メッセージ
時々電車やバスで席を譲ると「年寄りにするな」といって怒ってくる人がいるそうです。

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