加害者の特徴 |
|
- 日時: 2012/11/06 21:20 docomo
- 名前: ちぃ兄
■いじめ加害者に多い特徴
◆虐めに走ってしまう子供には特徴があります。
何らかのストレスがかかったときに虐めをしてしまう子供は
『自己愛性パーソナリティ障害』
『境界性パーソナリティ障害』
この二つの障害を持っている場合が多いのです。
虐めの多くは
『自己愛性パーソナリティ障害の傾向を持つ子供が起こす、攻撃による集権』
といえるでしょう。
自己愛性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害は、一般にはあまり知られていませんが、臨床心理学の専門家のあいだでは重要視されている領域です。
古くは『潜伏性精神病』・『良性分裂病』などといって精神病のひとつの状態とみられていました。
しかし、1950年以降は『境界人格構造』・『境界例症候群』など、人格構造の障害とする見方が主流になりました。
入院などが必要な精神疾患と違い、その障害を持つ人は一応日常生活を送ることができます。
しかし、その人の周囲にはトラブルが絶えません。
よく他者と衝突する、周囲の人との喧嘩が多いなどです。
しっかりと社会や環境に適応できるとは言いがたい状況にあります。
これらの障害の問題点のひとつは日常生活がとりあえず送れるということです。
日常生活を送れるので本人に自覚がなく、改善されないことが大きな問題です。
絶えずイライラし怒りっぽいのですが、周囲に責任転嫁をしているので
『周りが悪い、わたしは間違っていない』
くらいにしか思っていません。
頻繁な精神疾患の症状、例えば幻覚や幻聴、妄想などの症状も見られないので、“治療”に向かわないのです。
改善しようという意識が本人に無いので、どんどん症状がエスカレートすることもあります。
※※※※※※※※※※※※※※
■親から受け継がれる場合が多い・自己愛性パーソナリティ障害
◆自己愛性パーソナリティ障害(行動障害)は
『理想の自分』の思い描き方が好ましくないときに出現すると考えられます。
『周囲から支持されたい』
『支配的な存在でありたい』
『わたしが1番だ』
などと理想を抱き、その理想に向かっていると『自己愛性パーソナリティ障害』になります。
しかし、そんな理想はかなうはずがありません。
かなわないことを実現するために『攻撃による集権』という方法を獲得すると考えられます。
いわゆる『虐め』です。
子供がこの障害を持つ場合、親も同様の傾向を持っていることが多い。
虐めをする子供の親も、大人の集団の中で攻撃による集権を行っていたり、井戸端会議でいない人の悪口をよく言うなど、影響力のあるタイプの人であったりします。
実は、自己愛性パーソナリティ障害の傾向は、社会全般に広く見られます。
権力を振りかざす人をよくみると、次に示す診断基準に多く該当する人がいませんか?
※※※※※※※※※※※
■自己愛性パーソナリティ障害の診断基準■
これらの傾向を持つ子供は、虐めを引き起こしやすい。
@自己を重視する、あるいは『たぐい稀』な存在とみる誇大感をもつ。
A限りなき成功・権力・才能・美・理想の愛といった幻想へ没入する。
B自己顕示欲が強い。
C他者からの批判や無関心・自己の挫折に、冷たい無関心・あるいは強い怒り・劣等感・恥辱感・空虚感をもって反応する。
D以下のうち、少なくとも二つ以上に該当する。
◆特別待遇や相互的な責任のない特別な好意を期待。
◆対人関係における搾取。
◆自己の過度な理想化と、他者の過小評価という、両極端のあいだでの動揺。
◆共感の欠如。
※※※※※※※※※※※※※※
■境界性パーソナリティ障害の傾向とは
境界性パーソナリティ障害の傾向を持つ子供も、虐めを引き起こしやすいと言えます。
臨床的な参考のための診断基準では、次にあげる八項目のうち五項目以上を満たすこととなっています。
ただし、精神分析の立場では、これだけで診断することはには問題がありますので、注意が必要です。
※※※※※※※※※※※
■境界性パーソナリティ障害の診断基準
@自己破壊的衝動性
(消費・性行為・万引き・過食・身体的破壊行動のうち二つ以上)を持つ。
A不安定で激しい対人関係のパターン
(めまぐるしい態度の変化・理想化・価値切り下げ・たえず自分の目的のために他人を利用する操作)を示す。
B場違いな激怒・あるいは怒りの抑制の欠如を示す。
C同一性
(自己像・性同一性・長期の目標や暮らし方の選択・友人関係・価値観)の障害を持つ。(忠誠心についての不確実さを含む)
D情緒不安定である。
(普通の気分から、うつ・焦燥感・不安へとめまぐるしく変わるが、2〜3時間でおさまる)
E一人でいることに困難
(避けたがる・激しい努力を要する・落ち込む)を示す。
F身体的自己破壊行動
(自殺のふり・自傷・事故頻発・喧嘩)を起こす。
G慢性的な空嘘感と退屈感を持つ。
※※※※※※※※※※※※
この診断基準を見ると、これらの項目一つだけでも、けっこうな問題だと思われるのではないでしょうか。
例えばBのような『怒りの抑制が欠如している』人は確かに厄介な存在です。
自分に非があっても怒ったりします。
社会に適応できず、さまざまなトラブルを引き起こすことも十分考えられます。
境界パーソナリティ障害が潜伏性精神病といわれていたこともうなずけます。
しかし、診断基準では八項目のうち五項目以上を示すこととされています。
この障害においては、複数の症状を示すのです。
Aの『めまぐるしく態度が変化する』人には、それができてしまうという危険を感じますが、それと同時に『同一性の障害がある』(C)かもしれないということです。
また『情緒の不安定も見られる』(D)かもしれません。
一人でいることができず(E)追い詰められると『自己破壊性が出てくる』(F)人もいるかもしれません。
診断基準の各項目は、境界性パーソナリティ障害を持つ人にとって、一つの循環をなすといえるのです。
この『循環をなしている』というとらえ方は、境界性パーソナリティ障害の傾向を持つ子供を救う方法を示唆しています。
診断基準の項目のうちの重要な一つを無くせば、他の項目にあてはまらない状態に変化する可能性があるのです。
Aのような『利己心』もその一つでしょう。
他人と接するときに自分の都合を最優先するつき合い方をやめることができれば、本人のストレスも軽減します。
また、いけないことをいけないと素直に受け入れられれば、つまりBの『怒りを抑制できない性格』を解決すれば、他の項目への連鎖を断ち切り、悪循環を抑えることができます。
『わがまま』を通してしまう子供を指導するときには、このような項目や循環を分かった上で改善を促すと、大きな成果が得られます。
|
|