お久しぶりに投稿致しまする。 ( No.1 ) |
- 日時: 2022/06/28 10:00 (m0sacloud)
- 名前: 壊れかけのpocketradio ◆td.8hEPz4iE
- *日本民話
>旅の泥棒 ★山口県の民話★ むかしは、お金を持っている旅人につきまとって、すきを見てお金を盗む泥棒を『ゴマのハエ』と呼んでいました。 ある日の事、ある侍(さむらい)が大切なお金を隠し持って、江戸から旅に出ました。 すると見知らぬ男がやってきて、気やすく話しかけてきました。 「やあ、今日はよい天気ですな。一人旅ですか? どこまで行くのです?」 人のよさそうな男で、とても悪人には見えません。 「せっしゃは、下関(しものせき)までじゃ」 「おお、そいつはよかった。実は私も下関までまいりますゆえ、どうかお供させてくだされ」 そこで二人は同じ宿に泊まって、一緒に風呂へ入ったり、一緒に食事をとったりしました。 最初は何ともなかったのですが、大阪をすぎ、姫路をすぎ、岡山をすぎた頃、男の様子(ようす)が少しずつ変わってきたので、侍は思い切って男に泥棒ではないのかとたずねました。 すると男は地面に頭をこすりつけて、侍に言いました。 「ははーっ、言い訳はいたしません。 実はわたしは、ゴマのハエなのでございます。 お侍さまが大金を持っていなさるとにらんで、ついてまいりました。 しかしどうやっても、どこに隠しておいでかわかりませぬ。 わたしの、負けでございます。 もしお見逃しいただけるのでしたら、このまま退散(たいさん)いたします」 そう言って頭を下げる男に、侍は言いました。 「やはり、そうであったか。 本来なら役人(やくにん)に引き渡すところだが、何も盗(ぬす)んではおらぬことだし、正直に白状(はくじょう)したので見逃してやろう」 「ありがとうございます。では、これにて」 と、立ち去る男を、侍は引き止めました。 「まあ、待て。 あと一晩泊まれば、次の日には下関に着く。 これも何かのえん。 宿代はせっしゃが出すゆえ、もう一晩ともに過ごそうではないか」 「これは重ね重ね、ありがとうございます」 その晩、侍は宿につくと、今までずっと宿の人にあずけていた雨がさを、部屋の床の間へ置いて寝ました。 あくる朝、侍が起きてみるとゴマのハエの男がいなくなっていました。 「さすがに、気まずくなって逃げ出したか。まあよい、お主との旅は楽しかったぞ」 そして旅支度(たびじたく)を終えた侍が、ふと雨がさに手をやると、雨がさが軽くなっていたのです。 「しまった。やられた」 侍は雨がさのえに隠していた大金を、まんまと抜き取られてしまったのでした。 おしまい(^O^)
*百物語 >鬼の住むほら穴 むかしむかし、山深い谷の中ほどにあるほら穴に、四匹の鬼が住んでいました。 鬼は村へおりてきては田畑を荒らし、時には女子どもをさらっていくのです。 ある日、この鬼の話を聞いた坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)という武将が、大勢の家来を連れてやって来ました。 田村麻呂(たむらまろ)の鬼退治の名人で、どんなに強い鬼でも必ずやっつけてしまうのです。 田村麻呂の一行は村人たちの案内で、鬼の住むほら穴を目指しました。 その山道の途中で、村人たちが言いました。 「この先の谷に、鬼がいるそうです。しかし恐ろしいので、村人でそこへ行った者はいません」 「そうか、ではここからは、我々だけで行こう」 田村麻呂は馬をとめると、家来たちに武器の手入れを命じました。 家来たちは弓のつるを張り直したり、よろいやかぶとで身をかためました。 それから田村麻呂を先頭に、どんどん先へ進むと、谷の上に突き出た大きな岩の上で、鬼がのんびりと日なたぼっこをしていました。 「みんな、見つからぬ様に、身をかがめるのだ」 田村麻呂は馬からおりて身をかがめましたが、目の良い鬼はすぐに気づいて、あわてて立ち上がりました。 「やや、おかしな連中が来るぞ。さてはわしらを、やっつけようというのだな」 一匹の鬼が言うと、親分らしい鬼が大声を張り上げました。 「人間の分際で、わしらをやっつけようとは片腹痛いわ」 すると田村麻呂も、負けずに言い返しました。 「田畑を荒らすだけならともかく、女子どもをさらうとは許せん! 必ずしとめてくれるわ!」 田村麻呂の合図で、家来たちが次々と矢を射掛けます。 「ふん、こしゃくな」 鬼は鉄棒を振り回して飛んで来る矢を叩き落としますが、さすがは田村麻呂の家来、どの矢も鋭くうなりをあげて飛んで行き、鉄棒をすり抜けて鬼の体へと突き刺さりました。 「げっ! 何という手練 れだ。これはまずい」 鬼はびっくりして、その場から逃げ出そうとしました。 「それっ! 逃がすなー!」 田村麻呂は自慢の長い刀を引き抜くと、すばやく岩の上へ駆け上って鬼の親分に切り付けました。 「ギャオオオオーーーーー!」 刀で切り飛ばされた鬼の親分の首が、空高くはねあがりました。 しかし、さすがは鬼の親分。 空高くはねあがった鬼の親分の首は空中でくるりと向きを変えると、恐ろしい顔で田村麻呂めがけて飛びついて来ました。 ですが田村麻呂が素早く身をかわしたので、鬼の首は近くの木の根元に噛み付き、最後の力で木の根元を噛み砕くと、そのまま動かなくなりました。 そして残った三匹の鬼も家来たちによって切り倒され、ついに四匹の鬼退治がされたのです。 その時、ほら穴の奥から人のすすり泣く声が聞こえてきました。 家来たちがほら穴に駆け込んでみると、一人の女の子がフジ(→マメ科のつる草の総称)のつるで体をしばられたまま泣いていました。 わけを聞くと、二日前に鬼にさらわれて来たそうです。 しかし、それより前にさらわれた女子どもは、すでに鬼に食べられてしまった後なのか、どこを探してもいませんでした。 こうして田村麻呂のおかげで鬼はいなくなり、村人たちは安心して暮らせる様になったのです。 おしまいp q
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間に入らないうちに! ( No.2 ) |
- 日時: 2022/06/28 12:22 (m0sacloud)
- 名前: 壊れかけのpocketradio ◆td.8hEPz4iE
- *日本民話
>生き返ったカジカ ☆富山県の民話☆ むかしむかし、富山のある村で、村人が川原に集まって春祭りをしていまし た。 この日は朝から村人たちが野菜やおみそなどを持ちよって、男たちが川でとっ たカジカと一緒に煮て、おいしい『カジカ汁』をつくって食べるのです。 料理は簡単で、包丁の先でカジカのお腹をすこし裂き、そこから腹わたを取り出して野菜と一緒にみそ汁にするのです。 みんなが楽しそうに料理をしていると、一人の旅人が通りかかりました。 「お前たち、何をしておるんだ? 今日が何の日か、知らんのか?」 「何の日って、今日は村の春祭りの日じゃ。 春祭りには、毎年こうして村中でカジカ汁を食うことになっとるんじゃ。 体が温まって、おいしいぞ。 もうすぐ出来るから、あんたも一杯、食っていったらどうじゃ」 何匹ものカジカのお腹を包丁の先で裂いていた男が言うと、旅人が声高に言いました。 「馬鹿者! 今日は二十八日。親鶯上人(しんらんしょうにん)という、偉いお坊さんの月のご命日ぞ。その日に生き物を殺すとは何事か!」 男はびっくりして、包丁から手をはなしました。 するとお腹を裂かれてまな板の上にのっていたカジカがみんな生き返って、ピチピチとはねだしたのです。 「大変だ。はやくカジカを川へ戻すんだ!」 村人たちは、急いでカジカを川へ逃がしました。 この事があってから、この村の川に住むカジカは、みんなお腹に切られたようなくぼみがあるそうです。 おしまいじゃ。
*小話 >つかの間の二万両 ある田舎に、とても貧乏な男がいまし た。 いくら働いてもお金がたまらないので、男はおかみさんを家に残して江戸へ 出かせぎにいきました。 何年も頑張って働きましたが、けれど お金が貯まりません。 「どうしたものか。何か一儲け出来ない かな?」 男は考えに考えて、ある名案を思いつきました。 「そうだ。江戸にはこんなに人がいるのだから、漬け物だってそうとうに食うだろう。 漬け物作りには、漬け物石がかかせん。 よし、漬け物石を売り歩こう」 漬け物石にする石は、川に行けばいくらでも転がっています。 元がただだから、もし売れればぼろもうけです。 男はさっそく、元手いらずの商売をはじめました。 けれどやっぱり、漬け物石はさっぱり売れません。 「困ったな。もう一文も残っていないし。・・・ええい、こうなればもうやぶれかぶれだ!」 男は拾ってきた石の中からきれいなのを選んで、ていねいにふろしきに包むと、立派な宿屋にあがり込みました。 やけを起こした男はここでさんざん贅沢をしてから、宿代をふみ倒して逃げるつもりです。 「おほん。これは大事な物だから、決して誰もさわらんでもらいたい」 男は石の入ったふろしき包みを床の間に置くと、酒とごちそうをたらふく食べました。 さて次の朝。 男が朝風呂に入っている間に、宿のおかみさんが掃除にきました。 そして床の間のふろしき包みを、置きかえようとしたときです。 むすび目がとけて、中の石がゴロッと転がり出ました。 するとその石が朝日を反射して、ピカピカと光り輝くではありませんか。 おかみさんはビックリして、すぐさま主人に知らせました。 「お客さんが、大きな金剛石(こんごうせき→ダイヤモンド)をお持ちです。是非ともゆずり受けて、家の宝物にしましょう」 「金剛石か! よしわかった」 主人はさっそく、男に頼みました。 「お客さま。どうかお持ちの石を、千両(せんりょう→七千万円)でおゆずりください」 「はあ?」 男は、あっけにとられました。 ただで拾ってきた石ころが千両だなんて、いくらなんでも高すぎます。 「そんな値段では、とても売れません」 男は正直に、『これは拾ってきた物です』と言うつもりでしたが、主人は勝手に勘違いして値をつりあげました。 「では、一万両(→七億円)ではいかがでしょう?」 「いやいや、だから、そんな値段ではとても」 男がうろたえると、主人はますます勘違いして、 「それでは思い切って、二万両(→十四億円)でどうでしょう?」 と、大変な値をつけました。 「よし、売った!」 男は大喜びで二万両を受け取ると、大急ぎで我が家へ帰りました。 ところが家は空っぽで、誰もいません。 「おかしいな。あいつ、どこへ行ったんだ?」 いつまで待ってもおかみさんが帰ってこないので、男が近所の人に話を聞くと、何とおかみさんは男が出かけた後に急な病で死んでしまい、今はお墓に入っているとの事です。 「何だ、せっかく大金持ちになって帰ってきたというのに。・・・せめて、墓まいりをしてやろう」 男がお墓にいくと、草がぼうぼうです。 「まずは、草むしりだ」 男が草をむしりはじめると、 「いたたたたっ」 と、声がしました。 「へんだなあ? 草がものを言うわけがないし、気のせいだろう。もっとまとめて引っこ抜いてやるか」 男がひとまとめにした草を、力まかせに引き抜こうとすると、 「お前さん! あたしの大事な髪の毛を抜いて、どうする気だい! ねぼけないでおくれ」 と、聞き覚えのある、おかみさんの声がしました。 「あれ? おれのかみさんは、とっくに死んだはずだが?」 男が目をこすって見回すと、そこは我が家のえんがわでした。 「あちゃー。どうりで話がうますぎると思ったら、昼寝の夢か」 男はあくびまじりに、大きなためいきをつきました。 ♪ちゃんちゃん (おしまい)
*百物語 >佐賀の化けネコ ☆佐賀県の民話☆ むかしむかし、世の中が豊臣(とよとみ)から徳川(とくがわ)に移ると、佐賀の殿さまも、竜造寺築前守(りゅうぞうじちくぜんのかみ)から鍋島直茂(なべしまなおしげ)に代わり、裏舞台では両家の激しい権力争いが火花を散らしていました。 三代目、鍋島家茂(なべしまいえしげ)が城主の頃、ご城下に竜造寺家(りゅうぞうじけ)の跡継ぎである又一郎(またいちろう)という目の見えない若侍が、母親のおまさとひっそり暮らしていると、お城から殿さまの碁(ご)の相手に来るようにとのお達しがありました。 目が見えないながらも碁の達人であった又一郎は、長年の恨みをせめて碁ではらそうと心に決めて、城へ出かけていきました。 ところが又一郎は、そのまま行方不明になってしまいました。 心配のあまり夜も眠れないおまさは、家族同様に可愛がっていたコマという名の黒猫に、又一郎を探してくれるように頼みました。 「ニャー」 コマは身をひるがえして、城へと走り出しました。 それから何日かが過ぎた雨の降りしきる夜ふけに、ずぶぬれになったコマが又一郎の生首をくわえて帰ってきたのです。 「・・・・・・!」 そのくやしそうな我が子の顔を見るなり、母は碁の相手というのは表向きの理由で、本当は又一郎を亡き者にするのが目的だった事を知ったのです。 泣いて泣いて、泣きつかれたおまさは、思いつめた声でコマを呼ぶと、いきなり自分ののどもとに小刀を突き立て、 「コマよ、このしたたる血を吸って、母の恨みをはらしておくれ」 そう言い残して、死んでしまいました。 さて、桜の花が美しく咲きそろった春、お城の中庭では花見が開かれていました。 殿さまは大のお気に入りのおとよをそばにしたがえて、ご機嫌の様子です。 その時、突然に冷たい風が吹きすぎたと思うと、城中の灯がいっせいに消えて、女たちの悲鳴がおこりました。 家来の一人が急いでかけつけると、腰元(こしもと)の一人がのどを引き裂かれて、血まみれになって死んでいたのです。 この日から、怪我人や死人が毎日の様に出るようになりました。 そしてついに殿さままでが原因不明の病いに倒れると、城中でいろんなうわさが飛び交う様になりました。 殿さまと又一郎の碁の話は、家老(かろう)の小森半左衛門(こもりはんざえもん)が仕組んだもの。 碁に負けた腹いせに殿さまが又一郎を切り殺すと、小森半左衛門が腹心に命じて、その死体を人気のない森に埋めた。 そしてその仕返しに、竜造寺家の黒猫が城に忍び込んでいる。 と、言うのです。 このうわさを耳にして一番恐れたのは、もちろん家老の小森半左衛門です。 そこですぐさま、小森半左衛門は槍の名人の坂本兵衛門(さかもとひょうえもん)を殿の見張り役に命じて、自分はどこかへ姿をくらましてしまいました。 兵衛門(ひょうえもん)は、この役目について間もなく、奇妙な事に気付きました。 いつも夜中になると決まって眠気をもよおし、翌朝になると殿の病状が悪化しているのです。 そこで次の夜、兵衛門が眠気覚ましの薬草を口に含んで眠ったふりをしていると、どこからか現われたおとよが殿の居間に入って行きました。 そしてそのすぐ後、殿の苦しむ声が聞こえてきました。 「何と、おとよの方こそが、曲者(くせもの)であったか」 兵衛門は、おとよが居間から出てきたところを、 ブスリ! と、槍で胸を突き刺しました。 「フギャーーー!」 おとよは猫の様な悲鳴を上げると、ものすごい形相で兵衛門をにらみつけて、胸に槍を突き刺したままどこかへ消えてしまいました。 この騒動に驚いて集まってきた家来たちが、ふと庭の池を見ると、家老の小森半左衛門の裸の死体が浮かんでいたのです。 そしてその頃、城下にある竜造寺家の墓の前でも、兵衛門の長い槍が突き刺さった黒猫が死んでいたという事です。 おしまいです。
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おはようございます。 ( No.3 ) |
- 日時: 2022/06/29 05:44 (m0sacloud)
- 名前: 壊れかけのpocketradio ◆td.8hEPz4iE
- 東北以外、梅雨明けしました。
暑い季節東北言うか、いよいよ夏に向かっていると言うか、夏です。 熱射病に気をつけて(@_@) 私も営業時代に掛かり、死にそうな気分でしたから…。 くれぐれも…。
*世界の昔話 >ヒヨコ星 ★タイの昔話★ むかしむかし、ある町はずれの畑の中に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 二人の家は小さくて、持ち物は一羽のメンドリだけでした。 しばらくして、メンドリは六つのタマゴを生みました。 六つのタマゴは、六羽の可愛いヒヨコになりました。 「さあ、お母さんのあとについておいで」 メンドリは大喜びで、ヒヨコたちの世話をしました。 タカやトビなど、怖い鳥たちにさらわれない様に気をつけて、大事に大事に育てました。 ところが、ある晩の事です。 メンドリがヒヨコたちを寝かしつけていますと、こんな話し声が聞こえてきました。 「ばあさんや、明日から村でお祭りがあるそうじゃ。わしらもお祭りに行きたいが、神さまヘのお供え物をどうしよう?」 「本当にどうしましょう? わたしらは貧乏で、物を買うお金もありません。でも、お祭りに何も神さまにお供えしなかったら、ほかの人たちに、けちん坊と思われるでしょうね」 おじいさんとおばあさんは、お祭りのお供え物の相談をしていたのです。 そしてとうとう、おじいさんが言いました。 「どうだろう。一羽しかいないが、あのメンドリをお供えしたら」 おばあさんは、悲しそうにうなずきました。 「そうですね。ヒヨコたちが可愛そうですけど、それしかないですね」 二人の話を、メンドリはみんな聞いていました。 明日は、小さな子どもたちを残して死ななければなりません。 メンドリは、ヒヨコたちに言いました。 「可愛い子どもたち、明日、お母さんは死ななければならないの。 お願いよ、お母さんがいなくなっても、お前たちはけんかせずに、仲良く暮らしなさいね。 食べ物を見つけたら、いつでも一緒に食べてね。 決して、離ればなれにならないでね。 それから、家の外に出たりしちゃだめよ。 怖いイヌがいるからね」 「いやだよ! お母さん。どうして死ななくちゃならないの?」 ヒヨコたちが、泣き出しました。 お母さんも、泣き出したいのをがまんして、 「おじいさんとおばあさんが、わたしの肉を神さまにお供えすると話していたの。 死ぬ事は怖くないけれど、小さなお前たちを残して行くのが心配で。 それからそうだわ、どんなに遊びたくなっても、空き地へは出て行かないと約束して。 タカやトビに狙われるからね。 それから・・・」 と、ひと晩中、ヒヨコたちに色々な事を言い聞かせました。 次の日、おじいさんは朝早く起きると、すぐにメンドリを殺しました。 それから羽をむしる為に、グラグラ煮えたお湯の中にメンドリを投げ込みました。 それを見ていたヒヨコたちは、もうジッとがまんしている事が出来ません。 「お母さん、今すぐ、ぼくたちも行くからね!」 「天国に行っても、一緒にいようね!」 ヒヨコたちは小さな羽をはばたかせると、次々と、お湯の中へ飛び込んでいきました。 この可愛そう鳥たちの様子を、天の神さまが見ていました。 「何という、美しい母と子の心だろう。 お前たちがいつまでも一緒にいられるよう、星に生まれかわらせてやろう」 こうして、お母さんと六羽のヒヨコたちは、夜空にきらめく七つの星になりました。 おしまい。
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おはようございます。 ( No.4 ) |
- 日時: 2022/06/30 03:20 (m0sacloud)
- 名前: 壊れかけのpocketradio ◆td.8hEPz4iE
- 極端な暑さ( ̄▽ ̄;)
私の兄二人も外での仕事。 まだ此のサイトに残っている昔からの人も、外で仕事をする仕事をしているかも知れない。 くれぐれも熱射病古いか、熱中症には気をつけて欲しい。 来月の七月(*_*)来て欲しくない月が近づく。 22日‥いよいよ消化器官の精密検査が、共×病院で、又 二年ぶりか、一年半ぶりかも知れないな(:_;) 何かしら影があるかも知れないと…。 病院漬けの此の体。 嫌になる。 悪ければ、即入院なんて担当医師言ってた…。 せめて、22日の朝迄、投稿出来れば。 23日からも、昔ばなし紹介出来たらな。
*日本の昔話 >川に落ちた下駄 ☆吉四六(きっちょむ)さん☆ むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。 ある小川での事、子どもたちが集まっ て何やら騒いでいます。 「はやく、取って」 「待ってなよ。・・・あっ、もう手が届かない」 「はやくはやく、向こう側に行ってしまうよ」 「よし、それなら棒で」 どうやら、女の子があやまってげたを片一方を、小川に落としてしまったようで、それを一緒に遊んでいた男の子たちは、拾おうとしている様子です。 しかし、小川の流れはゆるやかなものの、子どもたちはあわてているので、げたはかえって岸から遠くへ行ってしまいました。 これでは、いくら長い棒があっても届きません。 「仕方ない、あきらめようか?」 「うわーーん」 女の子は、とうとう泣き出してしまいました。 この時、仕事帰りで近くを歩いていたきっちょむさんが、女の子の泣き声を聞きつけてやってきたのです。 「やっ、げたを落としたのか。よし、待ってな」 きっちょむさんは、落ちていた石を拾うと、それをげたの向こう側にドブンと投げ込みました。 するとげたは波に押されて、ゆらりゆらりと、少しこちらに近づきました。 「さあ、お前たちも、げたの向こう側に石を投げるんだ」 こうして子どもたちも加わって、げたの向こう側に石を投げ続けると、げたはどんどん波に押されて近づいてきて、ついには手の届くところにやって来ました。 こうしてげたを拾い上げたきっちょむさんは、そのげたを自分の着物でていねいに拭いてやると、にっこり微笑む女の子に渡してやったのでした。 おしまい(^O^)
*日本民話 >お花とごんべえ ★福島県の民話★ むかしむかし、ある村にお花というキツネと、こんベえというタヌキが住んでいました。 二匹とも、化けるのがとても上手です。 ある日の事、お花とごんベえが、道でバッタリと出会いました。 ごんべえは、わざとていねいに言いました。 「お花さんは化けるのがとても上手だそうだけど、おいらとどっちが上手かな?」 「さあ? どっちが上手か、化け比べをしてみないとわかんないわ」 それを聞いたとたん、ごんベえが腹を立てました。 「よし、そんならどっちが上手か、化け比べをしよう」 「いいわよ。明日の晩、お宮さんの境内(けいだい)へ来てちょうだい」 お花はそれだけ言うと、帰っていきました。 (女のくせに、なんてなまいきなキツネだ。見ていろ。かならず負かしてやる。・・・だが、何に化けたらいいのだろう?) ごんべえは何に化けたらお花に勝つか、一生懸命に考えました。 何しろお花の化ける花嫁姿は、ごんべえもほれぼれするぐらいきれいで、いつも人間の娘さんと間違えてしまいます。 それに化けるのが上手なごんべえでも、男なので花嫁姿にだけは化けることが出来ません。 さて一方、キツネのお花はというと、 「ごんべえったら、どうせわたしに勝てっこないのに。まあいいわ。もう二度と化け比べをしようなんか、言い出せないようにしてやる」 と、言って、何度も何度も花嫁姿に化ける練習をしました。 さて、いよいよ化け比べの夜になりました。 お花はいつもの様に、花嫁姿に化けました。 練習をしただけあって、本当に美しい花嫁姿です。 そしてお花は本物の花嫁みたいにはずかしそうにうつむきながら、お宮さんへ行きました。 ところが鳥居(とりい)をくぐろうとして、ふと下を見ると、ホカホカとゆげのたっているまんじゅうが落ちているではありませんか。 お花は思わず、つばを飲みました。 あたりを見回しましたが、ごんべえはまだ来ていないようです。 (うふふ。今のうちだわ) お花は急いでまんじゅうを拾って、口の中へ入れようとしました。 そのとたん、まんじゅうがパッとタヌキに変わったのです。 「あははははは。いくら美しい花嫁に化けても、やっぱり食いしん坊のキツネだなあ」 「!!!」 恥ずかしくなったお花は花嫁姿に化けているのも忘れて、尻尾を出したまま逃げてしまいました。 おしまい。
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Re: kuroneko koneKo kaiの昔話,御話し純喫茶店 12 ( No.5 ) |
- 日時: 2022/06/30 17:00 (m0sacloud)
- 名前: 壊れかけのpocketradio ◆td.8hEPz4iE
- 急に明日精密検査となる。
入院は覚悟だなぁ。不味いなら、自分でそれなり考えないとならなくなった。 だれか励まし欲しいが今の此のサイトで難しいから解除出来ない。 終わりかな。 後で昔ばなし送ります。
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Re: kuroneko koneKo kaiの昔話,御話し純喫茶店 12 ( No.6 ) |
- 日時: 2022/07/02 05:24 (m0sacloud)
- 名前: 壊れかけのpocketradio ◆td.8hEPz4iE
- 良かったo(^-^)o昨日の、精密検査の結果は潰瘍はあるが、大きな潰瘍は切りましたが、癌は、なかったです。
しかし、大腸検査は、苦しいのと恥ずかしさが大きい。 内視鏡だが、下剤の水を二時間掛けて飲む。 腹から出た物を看護師さんに、いちいち見てもらい内視鏡を入れるのに相応しい処迄、来てるか判断して貰い、やっと、そこ迄、来てると内視鏡が入るが、カメラの前になると、どうしても、又、したくなる。 内視鏡が腸の中をぐるぐる回ってるのは判るし、そんな時も、したくなる感じ。 二回前にカメラ入れた事は、あるが、やはり内視鏡は苦しい(v_v) 大きな潰瘍は、切って貰ったが、切る程、成長していない潰瘍は、次回にと言われる。 今回の精密検査は、MRIで判った。 そのままにしていると癌化してしまう。 もう、切腹は嫌だ。 又、半年後に内視鏡をいれないとならない。 半日、病院に居ました。 ほんと疲れました。
もしかしたら、心配してくれたあろう、あのぅさん、旅人さん、匿名さんに報告です。
*小話 >みこし入道をやっつける方法 むかし、みこし入道という、大男の化け物がいました。 人が夜道を歩いて行くと、後ろからニューッと首を伸ばして、頭ごしに見越してニタニタと笑うのです。 それだけならよいのですが、みこし入道に見下ろされると、その人の命が短くなると言われています。 さて、ある男が友だちからその話を聞くと、 「おれが、みこし入道をやっつけてやろう。実は、いい考えがあるんだ」 と、自信たっぷりに言いました。 「ほう。考えとは、どんな考えだ?」 「ああ、つえを五、六本かかえて、かさをかぶって夜道を行くんだ。 するとみこし入道の奴が、おれを見越そうとするだろう。 その時、かさにつえを結びつけて、そろそろと持ち上げる」 「なるほど、それで?」 「入道の奴は、かさを見越したくて首を伸ばすだろう。 そしたら二本目のつえをつぎたして、かさをさらに上げる。 入道が首を伸ばしてきたら、三本目のつえをつぎたして、もっとかさをあげる。 これを繰り返してみろ。 みこし入道の首が伸びに伸びて、すっかり細くなってしまうだろう。 そこをはさみで、チョキンと切ってやるのさ」 ♪ちゃんちゃん (おしまい)
*日本の昔話 >家が栄える、おまじない ★吉四六(きっちょむ)さん★ むかしむかし、きっちょむさんと言う、とんちの上手な人がいました。 きっちょむさんの村には、先祖代々田畑や山をたくさん持っている金助(きんすけ)さんという大百姓がいました。 しかしどうしたわけか金助さんの代になってから少しずつ財産が減っていき、もうどうにもならない状態でした。 「あれほど栄えていた家が、こうもすたれるとは。これはきっと、福の神が家を出て行ったからに違いない」 金助さんが、こう考えたのも無理はありません。 なぜなら金助さんはとても良い人で、これまでに悪い事もお金をむだに使った事もないからです。 それなのに金助さんの田畑だけに虫がついてお米が出来なかったり、大事な牛や馬が病気になって死んだりと、次から次へと悪い事が重なって行くのです。 有名な易者(えきしゃ)に占ってもらっても原因がわからず、神主さんにお払いをしてもらっても効き目がありませんでした。 そんなある日、金助さんはふと思いました。 「そうだ、あのきっちょむさんだったら、何か良いまじないを知っているかもしれんぞ」 金助さんから相談を受けたきっちょむさんは、しばらく首をひねって考えていましたが、やがて何かを思いついたのか、ひざをぽんとたたいて言いました。 「よし。ほかならぬ金助さんの頼みだから、とっておきのまじないをお教えしましょう」 「それは、ありがたい。して、それはどんなまじないだね?」 「まあ、待ってください。 ここでは説明出来ない事だから、明日の朝早く八幡(はちまん→八幡神を祭神とする神社の総称)さまの鳥居の下に来て下さい。 そこで、とっておきのまじないをお教えしますから。 でもその代わり、ほかの村人が起きる前に起きて、自分の家のまわりとよその家のまわりを回ってくるのですよ。 そうしないと、とっておきのまじないも効き目がありませんからね」 「いいとも、いいとも」 さて次の朝、金助さんは約束通り、まだ薄暗いうちに起き出しました。 金助さんは生まれた時からのお坊ちゃんなので、こんなに早起きをしたのは生まれて初めてです。 「ああ、早起きの朝と言うのは気持ちが良い物だな。今日はきっと、村一番の早起きに違いないぞ」 金助さんは家の者を起こさないように着替えると、きっちょむさんの言葉通りに家のまわりを一回りしました。 すると納屋の前に、昨日の仕事を終えた使用人が、すきやかまなどの道具をてきとうに置いていたのを見つけました。 (なんだ、これは? うちの使用人は、いつもこんなにだらしないのか?) 金助さんは少し嫌な顔をしましたが、きっちょむさんとの約束通り、ほかの家々をまわりながら八幡さまの方へと向かいました。 すると驚いた事に、今日は村一番の早起きだと思っていたのは間違いでした。 他の家ではもう仕事を始めていて、まだ寝ている家は金助さんの家だけです。 (これは・・・) 金助さんが八幡さまへ着いてみると、野良着を着たきっちょむさんがもう先に来ていました。 「きっちょむさん」 金助さんが声をかけると、きっちょむさんがふり返りました。 「やあ、金助さん。今日は、早く起きましたね。では約束通り、家が栄えるまじないをお教えしましょう」 すると金助さんは、手をふって答えました。 「きっちょむさん。 これ以上、わしにはじをかかさないでくれ。 早起きしたおかげで、家がおとろえたわけがわかったよ。 さっそく家に帰って、家の者たちと働かないとな」 「それは結構。がんばれば、すぐに元の暮らしが取り戻せますよ」 それから金助さんは、毎日誰よりも早く起きて家の者たちと一緒に仕事をしました。 そのおかげできっちょむさんの言葉通り、金助さんの家は以前の豊かさを取り戻したのです。 おしまい。
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朝から暑い(-.-;) ( No.7 ) |
- 日時: 2022/07/03 14:35 (m0sacloud)
- 名前: 壊れかけのpocketradio ◆td.8hEPz4iE
- *世界の昔話
>ほら吹き男爵 老将軍の秘密 ☆ビュルガーの童話☆ わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく)。 みんなからは、『ほらふき男爵』とよばれておる。 今日も、わがはいの冒険話を聞かせてやろう。 ところできみたちは、お酒を飲むと酔っぱらうのは知っているな。 わがはいはお酒が大好きで、しかもお酒にはめっぽう強い。 つまり、多少飲んでも酔っぱらわないのだが、ロシア人というのは、このわがはい以上にお酒が強い。 あそこは寒い国なので、体を暖める必要からこうなったのだろうが、男でも女でもいくら飲んでもなかなか酔わないのだ。 中でも、わがはいが特に感心したのは、宮廷の宴会でよく一緒になる老将軍だった。 赤銅色の顔に、ごましおひげをピンと生やした歴戦の勇士は、トルコ戦争で頭蓋骨の上半分をなくしたので、いつも帽子をかぶったままだったが、新しいお客が入って来ると身分のへだてなく、 「帽子をかぶったままで、失礼させていただきます」 と、ていねいにあいさつをするのである。 そして食事の間に、いつもぶどう酒を十数本は空にする。 ところがこれはまだ序の口で、食事が終わると大だるに入った強いコニャック酒を、まるでぶどう酒の口直しみたいにガブガブと飲み干し、そして少しも酔った様子もなく、けろっとしているのだ。 「そんな、馬鹿な」 と、きみたちも思うだろう。 ごもっともだ。 実際にこの目で見たわがはいだって、すぐには信じられなかったのだから。 「これには、何か秘密があるな」 何事にも好奇心旺盛なわがはいは、ひそかに老将軍を観察した。 そして、何度目かの宴会の時に、 「ははぁーん、これだな」 と、その謎を解く、ヒントを見つけたのだ。 それは老将軍がお酒を飲みながら、ときどき帽子をちょいと持ちあげるくせがあったからだ。 しかも実に用心深く、誰にも気づかれないように、そっと帽子を持ちあげるのだ。 そこで老将軍が帽子を持ちあげるタイミングを狙って、わがはいは床に落としたハンカチを拾うふりをしながら帽子の内側をのぞいてみた。 (なるほど) 老将軍の謎は、たちまちとけた。 なんと老将軍は帽子と一緒に、頭の銀の板も持ちあげていたのだ。 その銀の板とは、老将軍が頭蓋骨のかわりに頭のふたにしている物だ。 それを持ち上げるたびに老将軍の飲んだお酒は蒸気となって、ふわりふわりと外へ出ていくのだ。 だから老将軍は、いくらお酒を飲んでも酔う事がなかったのだ。 わがはいはさっそく、この新発見をまわりの連中に話したが、 「何を、馬鹿馬鹿しい」 「そんなはずが、ないだろう」 「くだらぬ、たわごとはよせ」 と、まるっきり信用してくれない。 「よし、では証明してやる」 そう言うとわがはいは、こっそり老将軍の後ろにまわった。 そして老将軍が帽子を持ち上げた時、手に持っていたパイプの火を立ち上る蒸気に近づけたのだ。 すると蒸気は、たちまち美しい青い炎となって、老将軍の頭のまわりに輝いた。 これに気がついた老将軍は、 「なっ、なんという無礼な!」 と、顔をまっ赤にして怒り出したが、わがはいがすぐに、 「将軍、お怒りになる事はありません。将軍の頭の後光は、どんな聖者よりも気高くて立派でございます」 と、言うと、老将軍はたちまち機嫌を良くして、その実験を何度もやらせてくれたのだ。 『お酒をいくらでも飲みたければ、この老将軍の様に、頭蓋骨の代わりに銀の板を取付けよう』 これが、今日の教訓だ。 もちろん、きみたちはまねをしてはだめだぞ。 では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。 おしまい。
*イソップ童話 >漁師とマグロ
漁師(りょうし)たちが漁に出て、長い間さんざん苦労しましたが、一匹も魚が 捕れませんでした。 みんなは疲れてがっかりし、船の中に座り込んでしまいました。 「しょうがないや」 と、みんなが思っているその時、何かに追いつめられた一匹のマグロが、自分から船の中に飛び込んで来ました。 漁師たちはさっそく捕まえて、町へ売りに行きました。 マグロは、大変高い値段で売れました。 こんな風に、いくら一生懸命やってもうまく行かない事が、ちょっとした偶然から、あっさりと出来てしまう事がよくあります。 物事は、最後まであきらめてはいけません。 おしまい。
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いつも、観てくれてありがとう。 ( No.8 ) |
- 日時: 2022/07/03 22:55 (m0sacloud)
- 名前: pocket radio ◆td.8hEPz4iE
- しかし、雑談も本当に変わった。
全般も同じ。 新しい人が入るならば良いが、或方が、一人が2役、三役してるのが疑われる。 同じ文章に近いみたい。 私も、トリップ付けなくしても、携帯会社から判るし、まして癖がある文章で、まず判るだろうな。 火曜日に、九州に台風が横切るコースに明日は、なりそう。 今日は、二、三日分の食糧を金を下ろして買いだめしないと…。 忙しい半日には、なるだろう。 ドラッグストアーのツルハが出来て助かってる。 スーパーにはない冷凍食品はあるし、色々なチルド食品がある。 今、私は、ボンカレー大辛にはまっている。 ハウス食品のカレーやカリーは、安いが、高くても喰ってみたら旨い! やはり、始めに作ったメーカーと感じた。
*日本民話 >風呂のぬか団子 ★広島県の民話★ むかしむかし、田舎(いなか)のお百姓(ひゃくしょう)さんが、初めて江戸(えど→東京都)へ出て来ました。 「ごめんなさい。今晩、泊めてください」 お百姓さんが、宿屋の前でそう言うと、 「はい、ただいま。さあ、どうぞどうぞ」 宿屋の女中(じょちゅう)さんは、お百姓さんを部屋に案内しながら言いました。 「ご飯を先にしますか? それともお風呂にしますか?」 「へえ、お風呂に入れてもらいましょう」 「では、こちらへ」 お百姓さんは女中さんに案内されて、お風呂場へ行きました。 お風呂場には、ぬかと塩が置いてありました。 むかしは石けんも歯ブラシもなかったので、ぬかで顔を洗い、塩で歯をみがいたのです。 でも、このお百姓さんは、そんな事は知りません。 「はあ、これはきっと、ぬかダンゴを作って食べろというんだな」 そう思い、ぬかに塩を入れて水でねり、ダンゴを作って食べました。 「こりゃうまい。こいつは、なかなか上等なぬかじゃ」 お百姓さんは、ぬかダンゴをすっかり食べてしまいました。 さて、お風呂からあがって部屋にもどると、女中さんがご飯を持って来ました。 それを見て、お百姓さんが言いました。 「おら、お風呂でぬかダンゴを食ったから、もう、お腹がいっぱいじゃ」 「えっ? ぬかダンゴ?」 「ああ、とてもうまかったよ」 女中さんは、ビックリしました。 でも、お百姓さんに恥(はじ)をかかせてはいけないと思って、そのままご飯をさげました。 (もしかしたら、明日の朝も顔を洗う時に、ぬかを食べてしまうかもしれない) 親切な女中さんは、ぬかと塩の代わりに、おもちを置いてあげました。 さて次の朝、お百姓さんがお風呂場に行ってみるとどうでしょう。 ほかのお客さんは、ぬかを手ぬぐいに包んで顔を洗っているのです。 「何と、ぬかは顔を洗うもんだったか。こりゃ、とんでもない恥(はじ)をかいてしまった」 さて、お百姓さんが顔を洗おうとすると、目の前におもちが置いてあります。 「よし、今度は間違わないぞ」 お百姓さんはおもちを手ぬぐいに包んで、ごしごしと顔を洗いました。 するとおもちがとけて、顔にベタベタとつきました。 それでもお百姓さんは、うれしそうに言いました。 「やれやれ、今日は恥をかかずにすんだわい」 ところが顔は、おもちだらけです。 それを見た女中さんは、とうとう腹をかかえて大笑いしました。 おしまい。
*小話 >ためしぎり
ある武士が、新しい刀を買いました。 「何とか、切れ味をためしてみたいが」 そこで友人に相談しますと、友人が言いました。 「そんな事なら、橋の上のこじきを切ってみれば、よかろうに」 「うむ、それは名案(めいあん)。さっそく、今夜にもためしてみよう」 そこで二人は暗くなるのを待って、橋へと出かけました。 やがて橋にさしかかると、中ほどに、うまいぐあいにこじきが寝ています。 「うらみはないが、命をもらうぞ」 武士は刀を抜くと、月の光をたよりに振り下ろしました。 「えいっ!」 そして二人は、一目散に逃げました。 さて、だいぶ走ってから、二人は足を止めました。 「おい、もう逃げなくともよかろう」 「そうだな。ところで切れ味は、どうだった?」 「おお、なかなかの切れ味でな。そのまま橋げたまで切ってしまったわ」 「それはすごい! それなら一度戻って、見届けてこよう」 二人は橋のところに引き返すと、切られたこじきのそばに寄りました。 するとこじきは起き上がって、二人に文句を言いました。 「やいっ! また棒で叩きに来たのか!」 武士の新しい刀は、とんでもない、なまくら(→切れ味の悪い刃物)のようでございます。 ♪ちゃんちゃん (おしまい)
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暑さ緩む ( No.9 ) |
- 日時: 2022/07/05 09:02 (m0sacloud)
- 名前: pocket radio ◆td.8hEPz4iE
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